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また、同時に行ったDCA法では、得られた4軸の寄与率は各々AXIS1が0.78,AXIS2が0.15,AXIS3が0.06,AXIS4が0.01となっており、ほぼAXIS1のみでプロットの分散のほとんどが説明できることが明らかになった。そこでこのAXIS1とその次に寄与率の高いAXIS2を用いて各プロットを二次元展開した(図2−4)。

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図2−4DCA法による全20プロットの群落タイプ別二次元展開図
TWINSPAN法によって分けられた各グループは、DCA ordinationにおいても各々まとまりをもって分散しており、TWINSPAN法の分類結果が有効であったことが確認された。また、グループAとBは比較的近いタイプであることが示された。CグループはDCA
AXIS1の値が129〜271、Dグループは234〜307の範囲にあり、DCA ordinationにおいても、グループ内での組成的な類似性が示された。DCAの結果を考慮しTWINSPAN法によってAとBのグループに分けられたプロットをまとめ、全20プロットをA+Bグループ、Cグループ、Dグループの3グループに区分した。各々を第一優占種名をとってハンノキタイプ、エノキタイプ、クヌギタイプとした(図2−3)。後の解析はこの3タイプについて行うことにした。
?A林床草本群落のタイプ
草本層の種組成をクラスター分析によって分析し、得られたデンドログラムを図2−5に示した。全20プロットは主要優占種の違いによって、ヨシ(Phragmites communis)対型林床(3プロット)、クサヨシ(Phalaris arundinacea)型林床(3プロット)、カナムグラ(Humulus japonicus)型林床(6プロット)、アズマネザサ(Pleioblasstus chino var.chino)・ジャノヒゲ(Ophiopagon japonicus)型林床(8プロット)の4つの林床植生型に分類された。またDCA ordinationの結果、得られた4軸の各々の寄与率はAXIS1が0.46、AXIS2が0.32,AXIS3が0.15,AXIS4が0.07となり、AXIS1とAXIS2の2軸によってほとんどのプロットの分散を説明できることが明らかになった。そこでAXIS1とAXIS2の2軸を用いてそれぞれのプロットを二次元展開し、クラスター分析によって分けられたヨシダイプを(▲)、クサヨシタイプを(●)、カナムグラタイプを(■)、アズマネザサ・ジャノヒゲタイプを(★)で表示したものを図2−6に示した。展開図上ではほぼ各林床型ごとにまとまって分布し、DCA AXIS1の値が0〜120の範囲にヨシ型林床、103〜292の範囲にクサヨシ型林床、164〜277の範囲にカナムグラタイプ、434〜692の範囲にササ・ジャノヒゲ型

 

 

 

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